1.1 2013年のヨーロッパ異常気象
2013年の冬から春にかけてヨーロッパ北部ではメキシコ湾からの暖流の影響が低下したため、
イギ
リスや西ヨーロッパでは寒冷化と天候不順が起こり、同時に北極海から溶けた氷の冷水が北海へ流入
したため、中央ヨーロッパから北欧にかけて前例のない異常に寒い春をもたらしました。
イギリスのヒースロー空港では3月から5月の3ヶ月間の月平均気温が8.4℃で平年差ー2.4℃であったと
の事です。
私がSan Sebastián(サン・セバスティアン)にいた5月18日は大雨になりましたが、フランス人の
道のSaint Jean Pied de Port(サン・ジャン・ピエ・ド・ポー)からのピレネー越えで降雪があり
ナポレオンルートが閉鎖になりました。
前半の5月末まではCamino del Norte(北の道)も雨が多く寒い日が続き、連日ゴアテックスの
レインスーツを着て歩いていました。(30分雨が降ると青空が出てくる不安定な天候でした。)
1.2 電車等の交通機関と自転車(Bici)ルートの利用
都市部へ出入りする際の巡礼路は交通量の多い道路を歩くことになり退屈でもあります。今回の巡礼
では都市部附近で電車を利用したり、国道と並行して電車がある事から一部の区間では交通機関を利用
して一日の距離を稼ぐ事をしました。
また、連日の雨で巡礼路の状況が大変悪くなっていたので国道を通る自転車(Bici)ルートも利用しま
した。このため、ガイドブックの巡礼路を完璧に歩いたわけではありませんのでご了解ください。
(この様な歩き方もあるとみて頂ければ幸いです。)
1.3 歩いた行程と宿泊先
2013年5月14日に成田を出発し、6月20日にサンティアゴへ到着しました。
歩いた行程と宿泊先は下記を参照下さい。
「Camino del Norte 行程 実績 」
Camino del Norte(北の道)を歩く予定を考えている際に少しの区間でもフランス国内から歩き
スペインへ入ってみたいと考えていた。手持ちのガイドブック(「El Camino Norte de Santiago
en tu mochila」Anton Pombo著)にはBayonne(バイヨンヌ)を起点として記載されていたので
当初はパリからTGVでBayonne(バイヨンヌ)へ行くつもりであったが、パリのCDG(シャルル
ドゴール空港)からLCCのEasy Jet航空がBiarirtzまで行く事がわかった。
なんとかHPで予約したが、ANA(全日空)のANA205便はCDGへ16:40着の予定でEasy Jetの
EZY3705便は18:25発で乗換時間が1時間45分であった。荷物もLCCの為、スルーで扱ってくれない
との事で心配であったのでパリのホテルを予約しておくことにした。
CDGへは15分遅れの16:55に到着、荷物を受け取ってゲートを出たのが17:20頃になっていた。
急いでターミナルを移動して国内便の荷物検査ゲートへ行くとザックの中身を全部出して調べられ、
カウンターへたどり着いたのは17:55であった。
小さな飛行機で荷物は全て機内へ持ち込みでありなんとか間に合ったがパリのホテルの予約キャンセル
の電話をする時間がなかった。(後日、キャンセル料を取られてしまった。)
Biarritz(ビアリッツ)のホテルは予約していなかったので空港のカウンターへホテルを聞くと空港
から300m程度の近くのホテルを紹介してくれ、やっと落ち着いた。
LCCのEasy Jet便 | Biarritz空港近くのホテル |
*この行程の注意事項、コメント
① パリCDG空港からLCCのEasy Jetを利用しましたが、CDG空港内(Terminal 2B)で乗り換えが
可能であり、同日中にBiarritzまで行けるので大変便利です。価格も90.9ユーロでTGVよりやや
高い程度でした。 HP(英語)サイト:「Easy Jet」
但し、ANA便では乗り換え時間が2時間弱で到着の遅れもあり厳しかったです。またインターネット
での予約となりBording Psss(航空券)も自分でプリントアウトが必要です。
荷物はスルーで預けることは出来ず全て機内持ち込みの為、CDGでの荷物検査が厳重でした。
② 宿泊したホテルは空港から300m程度で大変便利でした。チェーンホテルなので日本からも予約が
可能です。
2.2 Biarritz(ビアリッツ)からSt. Jean-de-Luz(サン・ジャン・ド・リュズ)
5月15日(水) 雨のち曇り 18.9Km <36,111歩>
Biarritz(8:00)- Gare de Biarritz(8:20)ー Lago Mouriscot(8:40)
- D-810国道(9:20)- 海岸(10:45)- St. Jean de LuzのHotel(12:00)
朝起きると霧雨が降っていた、初日からうんざりするが雨具を着て出発する。
BiarritzのSNCFの駅まで行くと橋の所で巡礼路のマークを見つけた。2009年にLourdes(ルルド)
から歩いた時と同じマークである。
線路沿いに歩き始めると湖(Lago Mouriscot)の畔を歩き、やがて国道(D-810)へ出る。
ガイドブックでは暫くすると左へ入ると書かれていたが見つからない。15分ほど歩いて行きすぎたと
思ったが国道の道標はSt Jean de Luzまでの表示があり、予約してあったホテルもこの道路に近いの
でそのまま歩いてしまう事にした。幸いにも雨は止んで曇っているが涼しく歩きやすい。
途中には海岸もあったがレストラン等、適当に休憩する所もなくSt Jean de Luzまで歩き通した。
ホテルには意外に早く到着したので荷物を置いて食事に出かけた。
St Jean de Luzは有名な観光地であり海岸にはホテルやレストランが立ち並んでいたがシーズンオフ
の為かひっそりとしている。
初日に道を間違えてしまったたが国道沿いは歩きやすく距離も短かったので良しとしよう。
SNCF Biarritz 駅 | 巡礼路の標識 |
Lago Mauriscot | St. Jean de Luzの街 |
① 持参したガイドブックはIrunが出発点であるが「El Camino Norte de Santiago en tu mochila」
(Anton Pombo編)ではBayonneから記載されていた為、Irunまでの区間は地図をコピーして持参
した。この為、やや見にくかった事もあり道を間違えたがフランス国内の標識は写真の様に小さく
電柱などに張り付けてあるので見つけにくいので注意が必要です。(黄色い矢印は無い。)
② Biarritz空港からSNCF駅までは20分程度で巡礼路は駅前の道を通る為、出発点として好適である。
③ フランス国内にはアルベルゲがないので巡礼者はGite(民宿)等を利用するが、2日間の為Hotelへ
泊る事にした。
2.3 St. Jean-de-Luz(サン・ジャン・ド・リュズ)からIrun(イルン)
5月16日(木) 晴れ時々曇り 14.5Km <34,258歩>
St. Jean de Luz(8:20)- Cruz de l'Hospital(9:15)ー Chateau d'Urtibe(10:30)
- Handaye(11:45)- Irun(12:00)- Hondarribe Airport(12:50)
2年前にVia de la Plata(銀の道)を歩いた際に知り合ったSan Sebastian の友人が週末を使用して
一緒に歩こうとの誘いがあり、週末は友人宅へ泊めて頂く事になった。
今日はIrunのHondarriba飛行場の待合室へ迎えに来てくれる事になっていたので約束時間の12時45分
までに到着したいとホテルを出発した。
今日は道を間違えないように地図を片手に歩くことにした。市内を出るとかつて道端に十字架が建って
いる住宅街を通り農村地区へ入って行く。
並木道の美しい道路沿いに大きなシャトー(Chateau d'Urtubte)があったが、内部の見学コースも
ある様だ。やや登ると牧場があり馬の調教をやっている所を見ながら下るとUrruneの村へ着いた。
ここから国道沿いの静かな農道を歩きHendayeの街を見下ろす個所へ出たが道が不鮮明になりウォー
キングコース(GR-10)の標識もあるが判りにくい。牧場の車の轍を見つけながらなんとかHendaye
の町はずれへ出た。スペインとの国境はサンティアゴ橋(Ponte Saint-Jacques)であるのが嬉しい。
橋を渡ってIrunの街へ入ると丁度12時であった。暫く飛行場への道を歩いたが約3kmの標識があり
約束の時間に遅れそうなのでタクシーを見つけて乗り、空港の待合室で2年ぶりに友人に再会した。
Chateau d'Urribe | Urrugneの村 |
Hendayeの村を望む | 国境の橋(Pont Saint-Jacques) |
① この区間は道標等もあり比較的巡礼路が判り易かった。農村地域を通る静かな道で素晴らしかった。
特に国境の橋も巡礼路の歴史を語っている様で嬉しい。
② Hendaye手前の区間ではGR-10と一緒の区間があり、Hendayeの街へ下る個所が判りにくかった。
(牧場を下ると道路へ出る道があったので通った道は誤りではないと思う。)
③ 国境の橋を渡り、Irunに入った所からHondarriba飛行場方面への道へ歩いたため、Irunのアルベルゲ
の場所は確認していない。
2.3 Irun(イルン)から San Sebastian(サン・セバスティアン)
5月17日(金) 曇り一時雨 27.6Km <25,438歩>
Irun Mugondo(7:10)- Santuario de la Virgen de Guadalupe(8:00)
ー Pasal Donibene(11:15)ー Falo de la Pata(13:15)=(車)= San Sebastian (14:00)
友人は仕事の為、自宅から車でIrunの市街地を抜けた国道(N-1)が巡礼路と交差する所まで送って
貰う。今日はサブザックを借りてハイキング気分である。登り口の湿地帯は朝霧で美しかった。
前方にSantuario de la Virgen de Guadalupeの建物が望まれ、道は次第に登りとなるがそれ程の
急こう配ではなく40分程度で到着した。
直ぐに分岐があったが友人から左を行った方が良いと聞いていたので、迷わず左手に向かうが道は稜線
を巻く道で見晴らしは無いが、ほぼ平坦な道である。途中で15分程度霧雨が降ってきたが直ぐに止んだ。
稜線のアンテナを見上げる所を通過するとやがてPasai Donibeneの港へ下る。
港には趣のある建物が立ち並び岬まで遊歩道がある。友人はここまで迎えに来る事になっており、時間
も早いので遊歩道を岬の方まで歩いて途中でコーヒーを飲んで休憩する。
港から対岸へは渡し船があり、友人が到着してから対岸のPasai San Pedroへ5分程度の渡し船で行く。
朝のスタートが早かったのかここまで巡礼者を見かけなかったが船にも数人が一緒に乗った。
Pasai San Pedroの船着き場から巡礼路は急坂になりFaro de la Plataの灯台まで登るが我々は友人
の車で坂道を登った。ここから見晴らしの良い道を歩き、San Sebastianの湾岸の遊歩道へ下りるが
Concha湾が望まれる所からAlberugeまでは(Playa de La Concha)はフランスのニースを思わせ
る素晴らしい観光地であるが2年前に歩いた事もあり我々は車で市内へ戻る事にした。
(Faro de la PlataからSan sebastianのAlberugeまでは歩いていません。距離はAlberugeまで)
朝のSan Sebastianへの稜線 | Santuario de la Virgen de Guadarupe |
Pasai Donibeneからの渡し船 | Falo de la Plataの灯台と道標 |
*この行程の注意事項、コメント
① Santuario de la Virgen de Guadalupe から稜線を歩くルートもあると思われるが、別のガイド
ブック「El Camino Norte de Santiago en tu mochila」(Anton Pombo)の地図では途中で
通行不可となっている。見通しはないが巻き道のルートは歩きやすい。
② Irunから歩く場合、初日になるが約28kmはかなり歩き出がある距離となる。特に短縮ルートも
ないので天候に注意して頑張って歩きたい。 道標等は問題は無い。
2.4 San Sebastian(サン・セバスティアン) <停滞:休養>
5月18日(土) 雨のち曇り
朝から雷がなって激しい雨が降っている。今日は友人とZarautzまで歩く予定で会ったが中止にして
ドライブに出かけることにした。
行先はSan Sebastianから高速で1時間半程度のOñatiの街に近いSantuario de Arantzazu
(アランサス修道院)である。途中は激しい雨であったが次第に小雨になってきた。
高速道路を降り山道を登ると、石灰岩のカストロ大地の山が連なる山腹に大きな建物が建っていた。
ここは海抜750mで急峻な崖に修道院があり、1950年に建設されたは聖堂は石造りで地下のクリプト
には地元出身の画家Nestor Basterretxeaの絵が壁面に描かれ素晴らしかった。
昼頃にOñatiの街へ行くと友人の教え子に出会い皆で食事をした。
午後から近くの鍾乳洞へ寄る事にしたが、専任のガイド付きで入り口から1,500mもある地底の鍾乳洞
見学は日本にないスケール感もあり興味深かった。
アランサス修道院<WikipediaのHP> : 「Santuario de Aránzazu」
Arantzazu の聖堂 | 崖淵に立つSeminario Arantzazu |
2.5 San Sebastian(サン・セバスティアン)から Zarautz(サラウツ)
5月19日(日) 晴れ一時雨 21.4Km <33,204歩>
San Sebastian(8:05)- 水飲み場(10:40)ー Orio(11:45)- Zarautz(13:10)
曇っているが雨は止んだのでなんとか歩けそうである。友人宅からSan SebastianのAlberuge近くの
ホテル前までタクシーで行き、コーヒーを飲んで出発する。
Alberugeの横を通って登りとなるが、それほど急な坂ではなくやがて見通しの良い道へ出る。
暫く歩くと一軒の家の前にスタンプが置いてある。友人の話ではSan Sebastianのサンティアゴ巡礼路
友の会のメンバーの家であるとの事だ。
やがて道が林の中を歩く様になると水飲み場があった。ここで休憩して再び歩きだすが10分程度雨が
降ると直ぐに晴れ間が見える変わり易い天気であったが快適に海を見ながら歩けた。
Orioの港が見え出して下っていくとOficina de Turismo(観光案内所)があり立ち寄ってクレデン
シャルのスタンプを貰い、これから先のAlbergueを聞くと一冊のホテル・Albergueのリストを呉れた。
これがこの先で大変役に立った。
OrioのBarでビールを飲んで休憩したがカウンターには素晴らしい魚介類のPincho(ツマミ)が並んで
いた。さすが美食のPais Vascoである。
Zarautzまではまた登りになるが、登りきった所に大きなキャンピングサイトがあり、ここへも立ち
寄ってスタンプを貰う。担当者が昨夜はドイツの巡礼者グループが泊って行ったと話してくれた。
ここから約1時間程度でZarautzの海岸へ着いたが、ここもホテルやレジデンスの立ち並ぶリゾートで
ある。
San Sebastianへ戻る電車を待つ間に友人と食事にした。
今日は天気もまずまずで友人と歩けて良かった。
*この行程の注意事項、コメント
① この区間には道標も完備されており、迷うところは無い。San Sebastianから約200mの登りで
あるが一旦、Orioの海岸(海抜0m)へ下って再びZarautzまで登りなおす事になり大きくはないが
アップダウンがある。
② バスク自治州が発行している下記のホテル・Albergueのリストは全区間が記載されており大変
役に立つのでOficina de Turismoへ立ち寄って貰っておく事をお勧めします。(無料)
「Los Caminos del Camino de Santiaago Alojamientos」
また、ガイドブックも発行されており、Albergue等でも入手が出来ます。(Donativo)
「Camino del Nrote/The Northern Ways to Santiago」(スペイン語/英語版がある)
Monte Igerdoを振り返る | 途中の水飲み場 |
Orioの港街 | Zarautzを望む |
2.6 Zarautz(サラウツ)から Deba(デバ)
5月20日(月) 晴れ 23.0Km <43,700歩>
Zarautz(7:30)- Getaria(8:40)ー Zumaia(10:15)- Iztier(12:10)
- Deba(13:30)
朝、友人に昨日のZarautzの海岸まで車で送ってもらった。週末に1,2日と思っていたが4日間も
世話になってしまった。
今日は朝から晴れている。巡礼路は市内を歩くが気分も良いので海岸の遊歩道を歩く。
朝の海が美しく散歩をしている人も多く、Getariaの港町が望まれ素晴らしい場所だ。
町はずれの所で巡礼路が一緒になり、海岸沿いの国道(N-634)を歩くと数人の巡礼者に出会い、
約1時間でGetariaの港へ着く。
街から国道を離れ坂道を登るが、次の村のZumaiaまでは海を見ながら歩ける巡礼路で北の道の
素晴らしさを実感できる箇所だ。
一旦、Zumaiaの港へ下ってコーヒータイムとして一休みした。再びItziarまでの登りが始まり、
やや海から離れて行くので海を遠くに望む道となってやや道の悪い個所もあったが問題は無く
Itzarの村を通ってDebaの街へ着く。
Debaの港は狭い海岸にあり住宅街から港へ降りる箇所にはエレベータが設置されている。
先に食事をするつもりで街へ降りて、Oficina de Turismoへ立ち寄るとAlbergueの宿泊申込み
をする事が出来た。食事後にAlberugeへ行き午後は洗濯をする。
Albergueは高台の古い学校(Colegio)を利用した建て物で休憩室等には小さな机といすが残さ
れていた。
夕食はまたエレベータを降りて街中のレストランで食べる。今回初めてのAlbergue泊りとなるが、
巡礼者は20人程度でベットにも余裕がある。今日は雨に降られず歩く事が出来たが夜には寒く
なってきた。
*この行程の注意事項、コメント
① この区間も特に問題となる個所は無い。距離も23Kmで早めにZarautzを出発すればDebaで昼食を
取る事が出来る。 DebaからGetaria間は海岸の国道を通らず、街中から登って海を見ながら歩ける
ルートもある。
② DebaのAlberugeは、先に街のOficina de Turismoで料金を払いAlberugeのベット番号を聞いて
鍵を受け取ってから高台のAlbergueに戻る必要がある。Garicia州のAlbergueの様に紙シーツなど
は無い。
Oficina de Turismoは街中の巡礼路から離れて、やや海沿いのPlaza Mayorにある。
Getariaの港町を望む | 海を見ながら歩く |
Zumaiaの港街 | Iztierへの巡礼路 |
2.7 Deba(デバ)から Markina Xemein(マルキナ・シェメイン)
5月21日(火) 雨 22.4Km <44,457歩>
Deba(6:55)- Ermita del Calvario(8:15)ー Olatz(09:30)- 休憩所(12:15)
- Markina Xemein(14:30)
今日からBilbaoまでは山越えになるが、朝起きるとあいにく天気が悪く雨が降っている。
雨具を着て傘をさしながらDebaの港からの巡礼路を登って行く。
Ermita del Clavarioの手前の農道へ出たところで再び山道へ入る道標を見落として村の方へ
歩き出したが前方から戻ってきた巡礼者が、こちらではないとの事で一緒に戻り道標から山道
へ入る。
Ermita del Clavarioを過ぎるとやがてOlatzの村へ降りる。雨は小やみで時々霧雨が降る程度
になった。
Olazは静かな山間の農村で家も数件しかないが、ありがたい事にBarがありコーヒーを飲んで
休憩する。店の女性に天候を聞くと今年は毎日この様な天気が続いているとの事だ。
Olatzから本格的な山越えの登りになったが、森林の坂道を30分ほどで最高地点Caserio
Kostlamendi(466m)まで登る登りきると舗装道路から分かれて山道となり、連日の降雨で
道が悪く靴は泥だらけで苦労した。
家も殆どなく見通しのない林間をひたすら歩き、やがて下りになってMarkinaの町はずれに出た。
市内へ入ると直ぐにAlbergueが見つかり、雨具を脱いで受付へ行くとまず暖かなスープを出して
くれたがやや冷え切った体には大変嬉しかった。
このAlbergueはAsociación de Vizcaya(Vizcaya友の会)の運営で宿泊料はDonativo(献金)
に関わらずHospitareloは大変親切で、建物は古いが気持ちが良かった。
暫くHospitareloと話して夕方、食事に出る。巡礼者は昨日のDebaのメンバーで約15名程度で
静かであった。
*この行程の注意事項、コメント
① Debaの港から一旦240m程度登り、Olitzの村(標高177m)へ降りて再び登る(最高地点466m)
が標高に関わらずアップダウンがある。道標は完備しているが山間部では林道が何箇所か分かれて
おり、道標を見落とさないように注意したい。
② 山間部の道が悪い個所にも、自転車(Bici)用のまわり道は無い。
③ 持参のガイドブックは、この区間のEtapaはMarkinaから約7Km先のMonasterio de Zanarruza
までの31.8Kmとなっているが、EROSKIや他のガイドブックではMarkina泊りである。
翌日のGernika Lumoまでは24.6Kmで問題は無い。
Debaからの山道 | Olatzの村 |
OlatzからMarkinaへ | Markinaの街へ下る |
2.8 Markina Xemein(マルキナ・シェメイン)から Gernila Lumo(ゲルニカ・ルモ)
5月22日(水) 雨 24.6Km <47,143歩>
Markina Xemein(07:10)- Bolobar(08:15)ー Muntibar(10:30)- Olabe(11:50)
- Marmitz(12:45)ー Gernika Lumo(14:10)
今朝は昨日よりも強い雨が降っている。暫く道路(BI-633)に沿って歩き、Iruzubietaの村で
道路が分岐するとGernika方面への道路(BI-2224)に沿って山道を歩くが道は水で柔らかく
ぬかるみに靴を取られそうになる。
Bolibarの村に出ると、ここには南米Venezuelaの独立運動で有名なSimon Bolivarの博物館
(Museo)があった。彼の祖先がこの村の出身との事である。
博物館前の建物の軒下で地図を見ると、巡礼路はここからまた道路に並行した山道を歩くことに
なっているがここまで大変道も悪く、巡礼路が次の村で交差する事から自転車(Bici)ルートの
道路(BI-2224)を歩く事にした。歩きだすと数人の巡礼者が先を歩いている。
道路はかなりの登り坂でやがてMunitibarの村へ着きBarで一休みする。雨は小ぶりになったが
そのまま道路を歩くことにしてのんびり歩いたが、途中にErmita
de Santiagoの建物が山間に
見えた。
Olatzの村を過ぎ道路(BI-2224)が再び巡礼路と交差するElexalde-Arratzuの村へ来るとここ
からは道路(BI-2224)と離れた道となるので巡礼路に戻って歩くことにした。
昨日にAlbergueで一緒だったスペイン人のグループと出会ったが、彼らは今日中にGernikaより
も先へ行きたいとの事で急いでいた。
Marmitzを過ぎ、やがてGernikaの街が遠くに見え街の入り口近くにバスク地方の球技ペロータ
の球技場があった。先日友人の家で毎日TVでこの球技を見ていたので競技場の広さに感心した。
Gernikaの街を見下ろす所へ来たが、Gernikaはスペイン内戦の1937年4月26日に爆撃で壊滅的な
被害を受けた都市であり。スペインの歴史で何度か読んだ事があり街を見ると感慨深い思いがする。
Gernikaの街へ着くと、ここにはAlbergueがクローズとの事でPensionに泊る事にして荷物を置き
ピカソの絵画(模写)や平和博物館を見に出かけた。
雨は殆ど上がったが夕方には寒く風邪を引きそうであったので早々に寝ることにした。
*この行程の注意事項、コメント
① 連日の雨の為、巡礼路の状態は大変に悪く歩きにくい。 巡礼路に並行する道路が自転車(Bici)
のルートになっていたので今回は自転車ルートを歩いた。 この様な天気では止むえなかったと
思う。矢印等はなかったが道路と交差する箇所で巡礼路に戻れる。
Simon Bolobar像 | 子馬へ餌をやる巡礼者 |
Gernicaの街 遠景 | Gernica 平和博物館 |
2.9 Gernica Lumo(ゲルニカ・ルモ)から Lezama(レサーマ)/Bilbao(ビルバオ)
5月23日(木) 雨のち曇り 21.8Km <35,950歩>
Gernika Lumo(7:15)- Ermita de San Esteban(8:40)ー Eskerika (9:45)
ー Aretxabalgana(11:40)ー Goikolexea(11:30)ー Lezama(13:10) = (電車)= Bilbao
相変わらず天気は悪く小雨が降っていたが昨日ほど強くないのであきらめて出発する。
Gernika市内のErmita San Luciaの横を通って街を出るとやや登りになり、静かな道を歩くと
やがて前方にAndra Mariの村が見え、Eskerikaの村への交差点(San Esteban de Ggerekiz)
に降りる。
(自転車(Bici)ルートはGernika市内から道路(BI-2121)沿いに来るので、天候が悪い時は自転車
ルートの方が良いかと思う。)
巡礼路はEskerkaの村を通るが道路(BI-4137)を暫く登ると巡礼路は右手の山道に入るが森林伐採
の作業中で道が悪かった。
再び先ほどの道路へ戻りEskerikaの村から山道をPuerto de Aretxabalganaまで登るが、このあたり
の道の状態もひどかった。
やがてAndra Mariからの道路(BI-2713)に出るとアスファルトの舗装道路になりほっとした。
やっと人家が現れGoikolexeaの村に着くとBarがあり一休みしていると雨も止んで薄日もさしてきた
ので雨具を脱ぐ。ここからは道路も良くなり、のんびりLezamaまで下った。
LezamaのAlbergueは6月1日から9月30日の夏季シーズン営業で、付近に適当なHostal,Pencionも
ない。
LezamaからBilbaoまでは約11Kmであり歩けない距離ではないが、連日の雨で疲れもたまったので
電車でBilbaoまで行くことにした。
レストランで食事をして休憩し、小さな電車に乗ると約30分で市内へ着いた。
Bilbaoも2年前に来た事があり美術館なども見たので駅前で数枚の写真を取って昨日Gernikaから予約
した地下鉄Deusto駅の近くのAlbergue Bilbao Akerrala Hostalへ向かった。
このAlbergueは巡礼者のみでなく、旅行者や学生なども泊っていたが内部は清潔で良かった。
同室になった学生はBilbaoから巡礼をスタートするとの事である。
*この行程の注意事項、コメント
① Gernika市内からEskerikaの村への交差点(San Esteban de Ggerekiz)までは、自転車(Bici)
のルートは国道(BI-2121)経由となっており、距離はあるが天候の悪い時は利用出来る。
② Gelnika-LumoからBilbaoまでの区間は32.8Kmで山越えとなり、やや厳しい。この為、Lezama
泊りとするか、前日に途中のAndra Mari又はMeakaurに宿泊してBilbaoへ向かう人が多い。
(LezamaのAlbergueが営業していなかったので、一旦電車でBilbaoへ行き翌日に電車で戻って
歩いたと言っていた巡礼者もいた。)
③ この区間も道標等は完備しているが、舗装道路を離れると雨で道は大変悪かった。
④ Bilbaoの公営Albergue(Albergue de Peregrinos de Altamira-Asociacion)も6月1日から
9月30日の夏季シーズン営業である。
Andra Mariの村を望む | Goikolexeaの村 |
Goikolexea村の十字架 | Lezamaから電車でBilbaoへ |
"<その2> Bilbao(ビルバオ)から Gijon(ヒホン)へ" に続く